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旅館経営のための生産性向上のポイント

さまざまな課題に直前し、改善していくことで生産性向上が見込める旅館経営。こちらでは、顧客満足を高められる考え方や方法を解説します。

より良い現場づくりで生産性向上を目指す

お客様に温泉や料理などの楽しみを提供する旅館を経営していく中で、常に考えなくてはならない生産性の向上。求められていないサービスを提供していたり、非効率な流れで作業を行なっていたりなど、現場でのロスを抱えている旅館も多いのではないでしょうか。

段取りだと言いながら料理を作り置きしているのも、改善する余地があります。メニューにもよりますが、料理は基本的に出来たてが一番美味しいもの。作り置きは美味しさを半減させるだけでなく、急な変更が起こった時に対応できず、不良在庫になってしまいます。

この場合、調理プロセスを改善し、お客様の食事のタイミングに調理プロセスを少しでも近づけることが大切です。美味しい料理を提供できれば、顧客満足も高まります。

また、バックヤードが雑然としているのも生産性が上らない理由の1つ。整理・整頓がされていないために、スタッフが必要な備品を探すのに手間がかかり、お客様と接する時間を奪われています。

おもてなしをする時間を確保できていないと、お客様の求めているサービスを引き出すことができず、顧客満足は得られないままです。

数々の課題を抱えている旅館経営者がいま注目しているのが、労働生産性の革新

現場でのあらゆる作業プロセスを工学的な観点から見直して効率を上げ、どうすれば労働生産性を高めることができるのか。こちらでは、工学博士である内藤耕氏が執筆した「サービス産業 労働生産性の革新 理論と実務」を参考に、旅館経営を支える手法についてまとめています。

お客様へのサービス

足を運んで宿泊してくださるお客様に、付加価値の高いサービスを提供するべく、無駄な作業が発生していないかを確認しましょう。内藤耕氏が提案している「サービス・キネティクス原則」に基づき、真のサービスを解き明かします。

旅館でのお客様へのサービスと付加価値についてもっと詳しく

作業プロセス 前編

生産性向上を目指し、現場づくりのカギとなるのが「リアルタイム・サービス法」です。前編では、リアルタイム・サービス法についてわかりやすく解説していきます。

旅館の生産性を向上する
リアルタイム・サービス法についてもっと詳しく

作業プロセス 後編

前編に引き続き、リアルタイム・サービス法を導入する際のコツについてまとめました。スムーズな作業プロセスに作り変える、マルチ・スキル化や平準化は必見です。

旅館業務の無駄をなくす作業プロセスについてもっと詳しく

集客

旅館での集客は、リピーターを増やすよりも新規顧客を獲得するほうが良いと言われています。狙っているターゲット層を集客すべく、必要な考え方や方法を解説しました。

旅館の集客方法についてもっと詳しく

おもてなし

おもてなしは旅館の売上にもつながる重要なサービス・プロセスです。本来の「おもてなし」をひも解き、どのような作業プロセスのうえに顧客満足が成り立つのかまとめました。

旅館のおもてなしについてもっと詳しく

ホテルの生産性を圧迫する「経費増加問題」について

旅館やホテルの経営状況をよくするためには、生産性を向上すると同時に経費の削減も考える必要があります。いくら生産性を上げて収入が増えても、経費がかさんしまうと利益は増えません。逆に経費が増える一方だと、経営を苦しめることになる可能性もあります。

現在、とくに問題視されているは【消費税増税にともなう仕入れ値や雑費の増加】です。また、経費自体は変わらなくても、売り上げが下がることで経費の割合が増える場合があります。光熱費が値上がりすることで、経費削減の大切さを痛感している旅館やホテルも増えています。

旅館・ホテルの5大経費

旅館やホテルでは、5つの経費が大きな割合を占めています。そのうち一番大きいのは人件費です。売り上げの30~40%を占めるケースもあります。次に割合が大きいのは水道光熱費です。平均的に、売り上げの5~10%を占めます。

その他の経費として、飲料原価や修繕維持費、その他運営経費などが発生します。飲料原価はお客に食事や飲み物を提供するうえで欠かせない経費。消費税増税や取引業者の価格改定の影響を受けやすいのが特徴です。修繕維持費は施設の改修を行ったり、大規模修繕をしたりする将来を見越して積み立てておくことが大切です。

これらの5大経費ですが、人件費と水道光熱費だけで50%を近く占めています。効率的に経費を削減するためには、これら2つの経費を見直す必要があるのです。

人件費を削減するには?

人件費は数ある経費のなかでも特に大きな割合を占めています。その分コストを圧迫する可能性が高いため、定期的な見直しが必要です。人件費を改善するだけでも、大幅なコスト削減が期待できます。

ニーズに合わせた人件費のカット

客層に合わせたスタッフ配備は非常に大切です。たとえば、若者がホテルや旅館を利用する場合、サービスの質よりも料金を重視することが多いでしょう。その場合、セルフサービスを多く設けてスタッフの数を減らせます。

一方で、高級旅館やホテル、中高年層が泊まる宿泊施設では、きめ細やかなおもてなし・サービスがよろこばれるもの。利用者数を維持・増加させるには、人件費を極端に削るよりも、ほかの経費の削減を検討することをおすすめします。

鍵を暗証番号に変える

ホテルキーを廃止して、暗証番号で客室の鍵を開けられるように設定しているホテルもあります。鍵の紛失にともなうトラブルを避けることができるうえ、鍵を部屋に忘れて出てしまうことによるスタッフ対応も減らせます。

もう1つ検討できるのは、スマートフォンと連携してロック解除できるシステムの導入です。チェックイン自体をスマートフォンや無人端末で済ませられるようになれば、フロントスタッフが不要になります。

予約管理の見直し

予約管理を自動で行うシステムを導入することで、人件費を削減できる可能性があります。電話やメールでその都度対応しているスタッフをほかの業務に配備できるためです。予約する側としても、電話やメールで予約をするより、インターネット上で空き室状況を確認して予約をするほうがスムーズなので、利用客増加も期待できるでしょう。

メール対応だと返信の文章を考えるのにも時間がかかりますが、システムで管理すれば定型文で済むため返信スピードを早められます。顧客対応にかける時間が短くなればスタッフのストレスも減り、パフォーマンスの向上につながるかもしれません。

マネジメントツールの導入

マネジメントツールにはいくつもの種類があります。中でも導入をおすすめしたいのは、人員管理のツールです。部門ごとの適正人数を計算して必要な人員を配備できます。とくに契約社員やアルバイトが多い施設は、システムを利用することで効率的な経営をはかれるでしょう。

また、財務状況を把握するためのツールも役立ちます。日々の財務状況を常に更新して確認できるので、人件費にどれだけの割合を当てているのかを確認できます。

フロント翻訳ハードウェアの導入

外国人旅行客が増えているので、外国語に対応できるスタッフを雇っている旅館やホテルも増えているでしょう。もし、外国語に対応できるスタッフの給料を高く設定しているなら、フロントほにゃくハードウェアの導入で人件費を抑えられる可能性があります。翻訳ハードウェアを導入することで、コストを抑えながら今まで通り外国人旅行客のニーズに応えられるでしょう。

翻訳ハードウェアを導入すれば、タブレットなどで宿泊客とコミュニケーションを取ることができ、外国人旅行客を歓迎できるようになります。英語や中国語などの主要言語のほかに、ベトナム語やタイ語などのマイナー言語にも対応可能です。

水道光熱費を削減するには?

旅館やホテルを経営するうえで、人件費の次に大きな割合を占めるのが水道光熱費です。意外かもしれませんが、大型ホテルのエネルギー消費量はオフィスビルの1.7倍になります。

経済産業省の報告によると、ホテルの水道光熱費で約30%を占めるのが空調熱源です。熱搬送でも約18%を消費しているので、冷暖房の空調による光熱費が経費に大きな影響を与えます。ほかにも約22%を占める照明・コンセントの対策も重要です。

LED照明を導入する

照明を発光効率が高いLEDに変えることで、電気代を抑えられる可能性があります。照明の数が多い旅館・ホテルほど、LEDを導入すれば電気代を抑えられるでしょう。

また、LED照明は寿命が長いため、照明の交換にかかる費用を抑えられる可能性があります。一般的な蛍光灯と比べると、寿命に何倍もの差がでることもあるので、前向きに検討してみてください。

電力契約を見直す

電力会社はさまざまな料金プランを用意しているため、旅館やホテルに合ったプランに変更できます。契約時にはなかったプランが登場している可能性も考えられるため、一度問い合わせてみるといいでしょう。

また、最近では電力自由化にともない、電力会社の価格競争が起きています。ほかのサービスとセットで契約することで、さらなる値下げや追加サービスを受けられるかもしれません。

空室の客間冷蔵庫やエアコンは「切」にする

空調設備の消費電力は大きいので、空き室のエアコンは基本的にオフにししょう。チェックアウト時、エアコンをつけたままにしてしまう宿泊客も多いので、宿泊客の退出後はなるべく早く空調を確認するフローを組み込むことをおすすめします。

客室にある冷蔵庫も電力を消費する要因のひとつ。次の宿泊客の予定がない空き室は、冷蔵庫もオフにしておきましょう。ただし、次の宿泊客が入室した際に、冷蔵庫の電源が入っていないと悪いイメージをもたれてしまう可能性があるので、入れ忘れないようにご注意ください。

省エネ設備を導入する

省エネ設備は一定の導入費用がかかりますが、長期的に見ると経費を削減できるので検討したいところ。たとえば、自動販売機を省エネタイプのものに変更するのもひとつの手です。自動販売機は24時間電気を使用するものなので、省エネタイプの効果を実感しやすいでしょう。

客室の冷蔵庫も省エネタイプのものが販売されています。ほかにはテレビやエアコン、電気便座など、さまざまな省エネ設備があります。光熱費を削減したい旅館・ホテルは、ぜひ一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。

需要停滞期に宿泊施設(旅館・ホテル)がすべきこと

旅館やホテルはシーズンによって売り上げが大きく変動する業種です。また、金融危機や自然災害、感染症の蔓延、近隣で開催されるイベント行事などの影響で宿泊客が減ってしまうケースもあります。需要が停滞していると感じた際に、旅館・ホテル経営陣は何をするべきなのでしょうか。

需要停滞の見通しを予測する

需要の停滞を乗り越えるには、まず季節性による一時的な停滞なのか他に原因があるのかを追求して、停滞がいつ頃まで続くのか見通しを立てることが重要です。

歴史のあるホテルや旅館は、過去のデータと比較して同じような時期がないか確認すると良いでしょう。将来同様の停滞があってもすぐに判断できるように、過去の同時期と簡単に比較できるデータベースシステムを導入しておくことをおすすめします。

開業してまだ数年ほどの宿泊施設は、例年より減少しているのか、今年だけ需要が停滞しているのか判断がつきにくいかもしれません。

比較できる過去のデータが少ない場合、運営する旅館やホテル周辺の観光地の賑わいを確認して、地域全体の旅行客需要が落ちているのか、経営する施設のみなのか確認してみてください。

1年間に1シーズンだけ売上が高くなる施設の場合

海が近い地域の場合、1年間におけるほとんどの売り上げが夏である事例も珍しくありません。

1年間に2シーズン売上が高くなる施設の場合

観光地として山がある地域の宿泊施設の場合、繁忙期が2回訪れる傾向にあります。

夏は登山、冬はスキーやスノーボードのウィンタースポーツで楽しむ観光客の集客が期待できるためです。海開きとなったけれど梅雨が明けない、台風が来ているなどの状況があると、宿泊客は減少する傾向があります。

1年間の売上変動が小さい施設の場合

付近にシーズン制の観光地がなく、1年通してあまり売上の変動がない宿泊施設は、観光地の拠点もしくはビジネス客がメインだと考えられます。この場合、さらに安い旅館、魅力的なホテルが登場した場合に売上が激減しがち。そのほか、毎年近隣で開催されていた大規模なイベントがなくなった場合などに売上が減少する傾向があります。

また、海外からの観光客が多い宿泊施設は、世界情勢の動きにも目を向けておきましょう。需要停滞は長期・短期のいずれか目星をつけ、次の収入が見込める時期を想定して、計画を立てましょう。

利益にならない予約キャンセル処理業務のコストを圧縮する方法

次のシーズンに向けたコストの見直し

原因がある程度特定できたら、次に収入が見込める時期までの経費をできる限り削減して、出費を減らすことが大切です。一時的に減らす方法もありますし、将来的なトータルコストを考えてシステムやツールを導入する方法もあります。

提供するメニューをシンプルに

利用者が減少している時期は、必然的に食事の需要も停滞するので、提供メニューの原価を下げることを考えておきましょう。

ただし、中には豪華なディナーを複数選択できることを売りにしている施設もあるかもしれません。食材のレベルを落としたくない場合は、メニューの数を減らして、使用する食材を限定することで、食品ロスをなくす方法もあります。

普段ブッフェを提供しているホテルも、停滞期には思い切って注文形式へ変更するだけで、食品ロスが減って経費削減につながります。

人件費の圧縮を検討する

人件費は顧客が少なくなっても発生する「固定費」であり、工夫次第で減らせる経費でもあります。人件費の削減で大切なのは、停滞期だけの短期間で考えるのではなく将来も見据えて検討することです。

停滞期は全体的な業務量が減るため、その時期だけを考えれば調理や配膳、清掃などのスタッフ削減を検討する施設も多いでしょう。しかし有能なスタッフが減ると、次の繁忙期が訪れた際に新人の割合が高くなり、業務に支障がでる可能性があります。シーズンによって売上が大きく変わる宿泊施設において、有能なスタッフが不足する事態は避けたいところでしょう。

そうならないよう、「技術が必要な作業の人件費」ではなく、「自動化できる作業の人件費」の削減を中心に考えすのがおすすめ。フロントのチェックインとチェックアウト、注文の管理などを一括で管理できる旅館システムを導入すれば、将来的に経理や受付などのスタッフを雇う必要がなくなります。今後同様の停滞期が訪れた際にも無駄な人件費をかけずに済み、繁忙期が訪れた際にも対応できる仕組みができるでしょう。

売り上げが見込めるまで休業する

営業をしていると当然ながら、電気代をはじめ、さまざまな経費が発生します。そのため売上減少が長期間になりそうだと判断した際は、思い切って需要回復が見込める時期まで一時的に休業するのもひとつの手です。

従業員に有給休暇の消化を促したり、普段できない研修を実施したりすることで、休業期間も営業再開の糧になるでしょう。

売り上げを増加させる準備

停滞期から復帰した際に、より多く利益を上げる準備をしておくことも減少時期の補填につながります。

常連客へのアプローチ準備

停滞が明けたとき、常連客へどうアプローチするかによって売上が大きく変わってきます。顧客ごとに過去の利用回数が分かるなら、一定回数以上の利用者を厳選して特別なキャンペーンを行うのもよい方法です。

常連客へのキャンペーンは「特別感」を意識するのが大きなポイント。「他の客にも宣伝しているDMだろう」と思われるより、「限られた顧客にしか送付していない」と思ってもらえるほうが次の利用につながりやすいためです。

従業員と同様のバッジを送付して、顧客との関係をより一層強めた旅館の事例もあります。停滞期で普段より仕事がない従業員のリソースを使い、手書きのメッセージを書いてみるのもよいでしょう。

特に台風や震災などの影響で「本当は行きたいけれど行けない」という状況が発生していた場合、関係が深まるアプローチをすることで「応援したい」「絶対にまた行きたい」と感じてもらえる可能性が高いのです。

過去の利用状況を確認できる体制も検討を

利用回数の多い顧客へアプローチする方法は、過去の利用状況をチェックできる体制を整えていないと選別が難しいところ。過去の利用記録が残っている場合、停滞期なら時間を持て余している従業員のリソースを使って集計すると良いでしょう。

今後も停滞期がきたら迅速なアプローチを行うべく、顧客管理システムを集計機能が付いているものへ変更するのも良い機会かもしれません。過去のDM発送履歴を記録できる旅館システムを採用すれば、DMの送付ミスも防げます。

停滞期の売り上げを少しでも上げるには

ある程度見通しが立ち、次の売り上げ増加時期に向けた準備ができたら、後はできるだけ停滞期に売上を増やす方法を考えましょう。顧客減少時にもできることはたくさんあります。

普段とは異なる客層の誘致を検討する

ホテルや旅館を利用する顧客の目的はさまざまです。観光地の旅行目的で訪れる方もいれば、仕事の出張時にいつもお決まりの施設を決めている方もいます。

急に売上が減少する施設は、観光客に依存している傾向が強いです。レジャー目的なら天候の問題、外国人観光客なら世界情勢などの影響で減少していると考えられるでしょう。その場合、新たにビジネス客の誘致を検討してみるのも停滞期を乗り越える方法のひとつ。ビジネスプランを用意する、過去の顧客が利用していた会社へDMを送るなどの方法でアピールできます。

反対に、普段はビジネス利用が多いけれど、ライバル施設の登場によって需要が減少した施設もあるでしょう。その場合、方針を切り替えて旅行者をターゲットとしてみるのもひとつの手段です。旅行者は宿泊施設を利用した際に満足度を重視する傾向にあります。スタッフの教育は充分か、旅館システムが顧客にとって手間のかかるものではないかなどを見直すよい機会です。すぐには収益が改善されなくても、評判の良いサービスは口コミで広まり、将来的に同様の停滞期を防げる可能性が高くなります。

宿泊以外のサービスを検討する

宿泊以外のサービスを手掛けて、収益を守る方法もあります。例えば施設内で調理したものを提供するケータリングサービスを始めたり、地元で採れる食材を利用したお菓子や料理の通販を始めたりできるでしょう。

ただし、通常営業と平行する際には発生する経費と予想利益を計算して、マイナスにならないように注意しなければいけません。

サイト管理人 オオバンガシラのコメント

旅館の生産性向上には、より良い現場づくりが大切です。感覚で改善していくよりも、いつ・どこで無駄が発生しているかをデータで確認しながら生産性向上、業務効率化していくのがベストでしょう。旅館システムなら必要なデータが一目で確認できるので、上手に取り入れながら労働生産性を高めていきたいですね。

※当ページは、下記書籍を参考にして書かれています。書籍ではより具体的な方法が説明されていますので、生産性向上にぜひお役立てください。

(参考文献:内藤耕 (2015).サービス産業 労働生産性の革新 理論と実務 旅行新聞新社 p2-16)