
顧客視点で旅館のサービスを分析する方法についてまとめました。
旅館で提供しているサービスやおもてなしを見直したいと考えた時、新しい顧客価値を見出すために有効な分析方法として「カスタマージャーニーマップ」という手法があります。。
このカスタマージャーニーマップで現場を分析することで、サービス改善のヒントが得られます。
企業との接触した時の行動や感情など、顧客視点で一連の流れをマップ化したものがカスタマージャーニーマップです。普段、企業が提供している商品やサービスの価値について、顧客視点で理解していき、顧客の利用体験をよりよくすることを目的に作成します。顧客の一連の行動を可視化し、課題点を洗い出しやすくなるのが利点です。
作成する際は、カスタマージャーニーマップをどのように活かしたいのか、はっきりさせてから取り組みましょう。「現状把握」「課題抽出」「関係者への共有」など、意図を明確にすることを忘れないでください。
カスタマージャーニーマップを描く時は、経営陣が頭を突き合わせるよりも、実際に接客しているスタッフを巻き込みながら描くのが望ましいと言われています。スタッフの気づきにより、見えてくる顧客の動きもあるからです。
顧客のサービス選定の段階、申し込みの段階、当日の旅館の受付などなど、さらにひとづつ顧客が直面するであろうイベントについて、細かくそこでの行動を細分化し、本来あるべき姿とのギャップをみつけ課題を抽出していきます。
お客様の行動がイメージしにくい場合は、そのタイミングで、お客様を怒らせる出来事を思い浮かべると良いでしょう。それが改善ポイントであったり、もっと磨いて長所とすべきポイントになることがあります。
ある程度の流れが描けたら、次は「どうすればファンになってもらえるか」を考えてください。イメージするのは、売上の多いお客様をつくるのではなく、旅館やサービスを信頼し、周りの方にも紹介してくれるようなお客様です。ファンになってもらえるような質の高いサービス開発は、そこから始まります。
顧客視点を知る他にも、カスタマージャーニーマップは発展的活用法が満載です。顧客価値の全体像を理解したり、自社の立ち位置を客観的な視点で評価できたりします。経営戦略としても十分に活用できるため、旅館の体制に合わせて応用してみてください。
お客様の行動パターンを理解するカスタマージャーニーマップは利便性の高い分析方法です。すでにわかりきっていると思っている内容でも、このように顧客との接点を一つ一つ丁寧に洗い出し、分析することで、それまで気が付かなかった課題がでてくることがあります。顧客視点で今一度自分たちの業務を見直してみてはいかがでしょうか。
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※当ページは、下記書籍を参考にして書かれています。書籍では、より具体的な方法などが詳細にわかりやすく説明されています。ぜひサービス改善&開発のご参考にしてみてください。
(参考文献:遠藤直紀,武井由紀子(2015).売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門 日本実業出版社 p68-92)