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作業プロセス 後編

リアルタイムサービス法を導入するうえで欠かせない、マルチ・スキル化や標準化などについて解説しています。

生産性向上も夢じゃない…リアルタイムサービス法とは?

前編では、生産性を向上させるためには現場の無駄を削減し、より良いサービスを提供する必要があるということをまとめました。

そのための生産管理手法として、工学博士である内藤耕氏が提案したリアルタイムサービス法があります。提供するサービスを顧客接点のある場所まで近づけることで、リアルタイムな生産・消費が行なえる手法です。

リアルタイムサービス法を確立するために確認しておきたいコツとして、「リードタイム」の短縮化や、こまめに作業することで柔軟な対応を生む「小ロット化」を前編でまとめています。後編でも引き続き、導入のコツをご紹介します。

導入のコツ(1) マルチ・スキル化とマルチ・プロセス

少し工夫すれば誰かが兼任できそうな仕事内容に関しては、新しくスタッフを採用するよりも現スタッフに作業を覚えてもらったほうが生産性は上がります。1人が複数の作業を対応できるようにすることのが「マルチ・スキル」です。

マルチ・スキル化を行なえば、特定の時間だけ忙しくなる部署へ一時的にスタッフが移動できるようになります。スタッフ全員が常にフル稼働しているわけではないので、エアコンのフィルター清掃やおしぼり洗浄などの作業は現スタッフが空いている時間に対応できないか確認してみてください。

また、マルチ・スキル化を進めるにあたって重要なるのが、マルチ・プロセスです。1人が複数の作業を同時進行する仕事のやり方を意味します。

複数のスキルを持つスタッフが増やせたなら、それぞれが適切な部署で作業できるよう、現場の流れを整えておくことが大切です。

導入のコツ(2) 平準化

「特定の時間だけ作業負荷が大きい」「需要がシーズンで偏ってしまう」などの状況を均等に配分して、一定な作業を行えるようにすることを平準化と言います。
平準化する方法には、

  1. 繁忙期の需要を崩す
  2. 閑散期の需要を生み出す
  3. 作業が集中して負荷をかけないプロセスに改善する

などのアクションが挙げられます。

例えば、客室数をあえて減らすことで繁忙期の需要を崩し、予約できなかったお客様が閑散期に足を運ぶといった新たな需要を生み出すことができるのです。

他にも、できたての料理を提供するためにお客様を一度ラウンジに通し、くつろいでもらっている間に調理の準備をするように改善した旅館も。それにより、調理スタッフにかかる作業負荷を一定に保つことができたとのこと。

導入のコツ(3) 生産開始指示の出し方

現場の流れを変えていくうえで、サービスを始める前の生産開始指示の出し方も検討する必要があります。
生産方法は主に以下の4種類です。

受注生産…注文を受けてから個別にサービスを提供可能。ただし、リードタイムが長くなってしまうことも。

見込み生産…あらかじめ大ロットで準備しておき、要望に応じてそこから提供できる。しかし、予測が外れると大きなロスになってしまう。

後工程引取り生産…前工程だけ済ませておき、後工程の段階で必要数のみ引き取れる。ただし、リードタイムが長くなったり、前工程のロスが生じたりすることも。

対面生産…お客様の潜在的な要望を引き出してサービスを提供する方法。対面であるため、スタッフがきちんとおもてなしできなければ、顧客満足につながらないのが難点。

各生産方法のメリットやデメリットを踏まえつつ、適切な生産開始指示を出すようにしましょう。

導入のコツ(4) 整流化

リアルタイムサービス法を確立するために導入するコツを紹介してきましたが、これまでのすべてのコツをフル活用し、作業プロセスを整えることを「整流化」と呼びます。

段取りを効率化できると、お客様の要求に細かく答えられるようになり、現場が柔軟な対応が可能になるのが整流化の理想です。

そのために、現場の整理整頓をしてリードタイムを短くし、的確な情報共有で需要と生産のタイミングを合わせていきましょう。

整流化することでリアルタイムサービス法を導入できれば、質の高いサービス提供が実現できます。生産性向上も夢ではないのです。

サイト管理人 オオバンガシラのコメント

業務が忙しいのか?余裕があるのか?現場がまわっているのか?そうでないか?というのは、意外と経営層に見えているようで見えていないことが多いようです。なぜなら手が回らないような時でも、現場でなんとかやりくりしてしまいますし、余裕があるときは、ゆったりと業務をしてしまう傾向があるからです。この現場の様子というのはなかなか状況がつかみにくいものです。これには良い面、悪い面の両方があると思いますが、宿泊状況を正確に把握し、1時間単位で現場業務の状況について見直していくことが業務の効率化には重要のようです。

また閑散期に人を呼び込んだり、繁忙期と予約をずらしてもらうような動きも大切です。たとえば閑散期には特別なサービスやキャンペーンを用意するなどです。これらをうまく実施するためには、見込み顧客の情報を正確に把握することが重要となります。旅館システムでは顧客について細かく分析できるものがあり、それを利用することで、これまで勘に頼っていた価格の調整やキャンペーン施策を、数値に基づいて実施できるようになるでしょう。

経営状況を見える化する旅館システム4選

※当ページは、下記書籍を参考にして書かれています。書籍ではより具体的な方法が説明されていますので、生産性向上にぜひお役立てください。

(参考文献:内藤耕 (2015).サービス産業 労働生産性の革新 理論と実務 旅行新聞新社 p66-78)


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旅館経営のための生産性向上のポイント

  1. お客様へのサービス
  2. 作業プロセス 前編
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